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日本のふるさと西都・西米良紀行
著者名:田浦 チサ子
内 容:調査・紀行文
出版社:自費出版
初 版:2004年7月28日
価 格:2600円
頁 数:316頁
問い合わせ:0986-64-1986(田浦さん)

著者紹介
 田浦 チサ子(たうらちさこ)
  1942年生まれ(宮崎県高鍋町)
  宮崎大学学芸学部四年課程卒業
  宮日歌壇賞(宮崎日日新聞社)
  にしき江新人賞・準にしき江賞
  第43回コスモス文学新人賞(随筆の部)
  第6回愛のサン・ジョルディ賞(短編の部)
  コスモス文学出版賞(「まなざし」)
  宮崎県北諸県郡山田町在住


  まえがき

 「西都・西米良」の、あの道この道は、古代・中世・近世の人々が歩いた道である。
 あるときは喜び悲しみを抱き、あるときは夢を抱き野望を抱き、時の続きを生きている人々が歩いた道である。……その道を現代の人々も歩いている。
 この道の辺りには、史蹟がある。寺・神社・小祠もある。御地蔵も、あたたかく迎えてくれる。今日を明日をと思いつつ、生きている人々の暮らしがある。
 風に触れ、小鳥のさえずりや川のせせらぎを聞きつつ歩いているうちに、生命がいきいきとしてくる。
 幾度も訪ねているうちに、しみじみとした親しみを覚える。
 「西都」には、古代の瓊瓊杵尊・木花開耶姫の伝承地があり、大古墳群がある。平安時代の和泉式部の伝承墓もある。中世から近世にかけての武人等の史蹟があり、寺社もある。
 児玉久右衛門が造った杉安井堰があり、孤児の父と呼ばれる石井十次ゆかりの地でもある。
 現在は、身土不二の思想を盛り込んだ農業の都市、福祉の都市である。
 「西米良」は、古代の磐長姫・大山祇命の伝承地があり、三基の古墳が存在する。南北朝時代後期の懐良親王の伝承地であり、中世から近世にかけての武人等の史蹟がある。版籍奉還の際、所有していた山林地をすべて村民に与えた菊池忠則の城址があり、共同開墾に尽力した黒木市太郎ゆかりの棚田も現存する。
 現在は、山間の土地を生かした生産が行われている。優秀観光地づくり賞を受け、静かなかがやきも感じられる。そして、永い年月に、おのずと揉まれ、「いい按配」に暮らしている。

 千年、二千年の時を重ねてきた「西都・西米良」には、独特の風土がある。私たちの心のふるさと、日本のふるさとである。
 私の一冊の紀行文が、当地を訪れる方々へのささやかな道連れとなりますように……。


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