西郷の縁が結ぶ交流/2つの南洲会
(南日本新聞2002年3月4日)
 都城市庄内町西区の南洲神社を拠点に活動する「庄内南洲会」(伊地知義夫会長)を、山形県酒田市の「荘内南洲会」(小野寺時雄理事長)の一行25人が訪問。西郷隆盛が取り持つ縁を深めようと、今後の友好を誓い合った。
 山形県の荘内南洲会は、西郷ゆかりの南洲神社を訪ねる旅を毎年実施。沖永良部、鹿児島市の南洲神社に立ち寄った後、2月24日に同町を訪れた。今年で3回目。荘内南洲会の活動について小野寺理事長は「戊辰(ぼしん)の役で庄内藩が官軍に降伏した際、西郷は少しも勝利におごらず藩主の面目を傷つけないよう気配りしました。以来、荘内の人々は西郷に心服、顕彰に努めています」と話す。
 同町の南洲神社は、西南の役で西郷を慕って参戦した地元郷士など56人の戦死者の霊が祭られている。1927(昭和2)年、西南の役50周年を記念して建立された。庄内南洲会は昨年、酒田市の南洲神社を初めて訪問。伊地知会長は「北国と南国が西郷の縁で結ばれるのは素晴らしいことです」と、地元に伝わる南洲太鼓を打ち鳴らし一行を歓待。昼食会で手打ちそば、煮しめなど郷土料理でもてなしながら南洲談議に花を咲かした。

▲写真 都城市庄内町の南洲神社を訪れた山形県の荘内南洲会