講座No.27「バイオマスの徹底利活用」

2007.1.20 9:00〜12:00

場所:都城高専AVR室
講師:宮崎県木材利用技術センター藤本英人材料開発部長


 バイオマス(Biomass)の定義は「再生可能な、生物由来の有機性資源で、化石資源を除いたもの」である。
 都城盆地では林業が盛んでスギ人工林も多い。しかし木材価格の低迷や高齢化などの問題があり、スギ製材品の高付加価値化および未利用の間伐材、林地残材、樹皮を有効利用する必要がある。
 一方都城盆地は農畜産業が盛んであり、過剰な畜産廃棄物の窒素分を処理することも求められている。
 現在都城盆地都市エリア産学官連携促進事業で、未利用の木材を低品質の木炭にし、豚糞と混合し燃焼することにより脱窒を行うと同時に発生する熱を利用して木材乾燥や野菜くず乾燥、さらには木酢液の有効成分を利用したり、焼却灰からリンなどの回収、微細藻類によるCO2固定など多方面の研究を行っている。


藤本部長

バイオマスの種類としては「廃棄物系バイオマス」、「未利用バイオマス」、「資源作物」がある。スウェーデンは木材チップ発電など16%も有効利用しているが日本は0.9%とまだまだ低い。

間伐した木材は放置される例が多い

切り出した木材を切り揃える時に出る廃材(林地残材)

家畜排泄物の環境負荷の解析・評価によると都城盆地エリアでは約116t/ha/年と非常に大きい

家畜排泄物と未利用森林資源を燃焼し発生する熱を有効利用、地域内で循環させるシステム概念図

豚糞と低品質木炭を混ぜたもの

木材を乾燥する時に出る木酢液からつくったエッセンシャルオイル