講座No.9「トレーサビリティシステムの導入」
2006.11.11 13:30〜17:00
場所:(有)新福青果会議室
講師:大日本印刷(株)トレーサビリティビジネス部功力正部長
(有)新福青果代表取締役新福秀秋氏
前半は大日本印刷(株)の功力氏のトレーサビリティ概論や事例紹介があった。一般にトレーサビリティについて情報公開すればいいと言う誤解があるのではないか。トレーサビリティシステムでは、何か問題が起きた時に短時間で原因追求ができ、市場にどれくらい出回っているかというトレースバックと、問題が拡大しないように、どことどこ抑えればいいかというトレースフォワードができなければならない。 単独でトレーサビリティシステムを導入するのではなく、生産性が上がるしくみづくりを行い、おまけにトレーサビリティが付いてくるという考え方の方がいいのではないか。 農産・畜産・水産の現場から加工食品現場や流通でのトレーサビリティなど豊富な事例で勉強になった。 新福社長の講義では新福青果の取り組み事例を中心に、農業経営を取り巻く環境や、課題など多岐にわたる興味深い話があり受講者は熱心に聞いていた。 新福青果のシステムは川上(生産現場)から川下(販売)まで情報共有できるようにシステム化したものであり、畑の決算書と称して一つ一つの圃場の原価計算もできるようになっている、そのためには作業現場で入力をする必要があり全天候型のパソコンや携帯による通信機能などを使っていることなどの話があった。 宮崎県で4,685ha、九州では6万ha、全国では38万haの耕作放棄地があり大きな問題だが、逆に考えればチャンスでもある。規格外品の加工や高齢者の雇用など発想の豊かな社長の話に農業の未来に希望を感じた受講生も多かった。 |
新福青果の会議室で開催 |
功力(くぬぎ)部長 |
新福社長 |
出荷前の荷物、おでん用にカットした大根もありました |
荷物と一緒に温度センサー付きのICタグ(データロガーやGPS機能の付いたものもある)を積んで行くことで輸送中の温度管理状況も把握できる。 |
新福青果から見える範囲にも遊休地や耕作放棄地がある |
いろいろな質問が出ました |