講座No.16「機能性脂質を利用した食品開発技術」

2006.11.11 10:00〜11:30

場所:都城高専AVR室
講師:宮崎大学農学部林雅弘助教授


 保健機能食品は栄養機能食品と特定保健用食品に分けられる。栄養機能食品は12種類のビタミンや5種類のミネラルが一定の基準を満たしていれば国の認可なしで表示できるが、効能は一般的な表示(例:カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素です)に限られる。
 特定保健用食品(トクホ)は臨床データを国に提出し認可を受ける必要があるが、具体的な効能(例:血圧を正常に保つことを助ける食品です)を書くことができる。さらに一般食品の枠に含まれる健康補助食品(一般的にはカプセル状などのサプリメントと呼ばれるものが多い)もある。
 エコナクッキングオイルを例にとり脂質の消化吸収のしくみや、海の恵みとしてEPA、DHA、コラーゲン、フコイダン、スクアレン、アスタキサンチン、キトサン、タウリンなどの説明があった。「魚を食べると頭がよくなる」というのは本当なのか?、アルツハイマー型認知症とDHAの関係や魚や海草に含まれる有効成分の話を聞くことができ、日本型食生活が健康に良いということを再認識した。
 林助教授は「みやざき産業クラスター創生促進事業」で「水産系廃棄物の有効利用」、「都市エリア産学官連携促進事業」で「高齢者QOLの向上に貢献する海洋性バイオマス活用技術の創出」に取り組んでおられるが、現在の研究の状況のお話もあった。DHAなどの不飽和脂肪酸をクロレラやユーグレナを使った微生物変換という処理を行い吸収されやすい形にする研究など興味深い講義であった。


講義の様子

特許申請中につきここまで?